私は中学校の時にチェルノブイリの事故(1986年) があり、高校では原発に関する本を何冊か読み(「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」等)、2011年には都内で311を経験しました。
原発って危険で本質的に良くないと思い、京都に住んでいた頃も反原発団体でボランティアしていました。
そんな私が、環境活動家のマイケル・シェレンバーガーのTED Talksを聞いて考えが180度変わりました。

シェレンバーガーはもともと太陽光や風力などの代替エネルギーの推進派だったけれど、土地を切り開いて太陽光パネルを並べた結果地盤が弱くなったり、風力タービンに鳥が巻き込まれて死んだり、いろいろデメリットがあることに気づいた。
自然エネルギーはエネルギー強度(energy intensity) が弱いので
*原油と比べて、同じエネルギー量を生産するのに何十倍も広い土地が必要になる=森林伐採が進む。
都会にはそんな広い土地は余っていないから、当然森を切り開くことになる。

しかも太陽光・風力発電などの
*天気依存型(weather-dependent)エネルギーは不安定。
太陽光は発電量が多過ぎれば送電線をパンクさせるし、反対に天気が悪くて発電出来なければ、足りない分を賄うために火力発電が必要になる。
発電量が日によって違いすぎて頼りにならない上に予測出来ないので、結局余分に原油を燃やして準備することになるから、太陽光や風力発電があっても火力発電は減らせない。
会社でも、仕事頼んでもやるかやらないか直前までわからない人とはチーム組みづらいですもんね。

それに比べて原子力発電は、まず同じ量のエネルギーを発電するのに場所を取らない。
もちろん過去にスリーマイル島、チェルノブイリ、福島と原発事故はあったけれど、その都度事故の原因を特定し、どうすればそのような事故がまた起きないかを考えて新しいものの開発が進んでいるらしい。

結局自動車でも電車でも、イノベーションって途中段階でいろんな問題や事故があって、そこから改善されるので、原発もそれは一緒。
こちらの動画を見ると(英語の動画ですが設定すれば日本語字幕が付けれます)、今は普通の工場でも作れるような小型の原子炉(mini reactors) の開発が進んでいるようです。
小さい分事故が起きても制御しやすいし、自動運転だから既存の原子炉のように多くの人が常時監視しなくても良い。
20MWくらいまでしか発電できないけれど、病院などの施設の発電に使いやすい大きさ。

原油や石炭をエネルギー源に使うのと比べての最大のメリットは・・・
二酸化炭素排出なし
大気汚染なし
何かの割合(忘れた)が20%を越えると技術的には核兵器への転換が可能ということになってしまうので、どこのメーカーさんも割合が20%を超えないように苦慮しているそうです。
核燃料廃棄物は出ますが、例えば太陽光パネルなどの重金属を含んだ危険な廃棄物に比べるとゴミの量は少ないし、そもそも太陽光パネルの毒性が高い廃棄物がその辺に埋められてしまうのに比べると、核の廃棄物はかなりしっかり管理されている。

つまり、原発は電気を作るのに必要な土地が一番少なくて済み、その結果、森を切り開かなくて良くなる。
しかも汚染が少ない。
なんだむちゃむちゃ良いじゃん!!
と思いました。
マイケル・シェレンバーガーの本も到着して、今読み中です。
英語版はAudibleで音声版で聞こうかな。